行政書士とはどんな資格?
行政書士は、「書類作成と手続きの専門家」であることを証明する国家資格です。
行政書士法に基づき、官公署(市役所、県庁、警察署など)に提出する書類や、権利義務に関する書類、事実証明に関する書類を作成したり、手続きを代わりに行ったりします。
たとえば、
- 会社を設立するときの定款作成や許認可申請
- 飲食店を開業するための営業許可申請
- 建設業の許可申請
- 外国人が日本で働くための在留資格申請
- 遺言書作成や相続に関する書類のサポート
など、私たちの生活やビジネスの中で欠かせない「申請書類」「契約書」「遺言書」などの作成を担います。
行政書士は、企業の経営サポートから市民の生活相談まで幅広く関われるため、独立を目指す資格の中でも人気がある資格です。
資格の種類
行政書士は「国家資格」であり、「独占業務資格・名称独占資格」です。
難易度と勉強時間
| 難易度 | ★★★★☆ <やや難しい> |
| 勉強時間 の目安 | 600〜1,000時間。 仮に800時間の勉強時間だと、 試験日まで残り6ヵ月の場合、「毎日約4時間半」、 試験日まで残り9ヵ月の場合、「毎日約3時間」、 試験日まで残り1年の場合、「毎日約2時間~2時間半」勉強する計算になります。 |
効率的な資格学習のポイント(学習スタート時/試験直前期、効果的な暗記法、集中力が切れた時の対処法)の記事はこちら!
行政書士試験の合格率
過去6年の平均合格率は「12.1%」です。
行政書士試験は、毎年4万5千人以上の方々が受験し、約5千~6千人が合格しています。
| 年度 | 受験者数 | 合格者数 | 合格率 |
|---|---|---|---|
| 令和6年度 | 47,785 | 6,165 | 12.90% |
| 令和5年度 | 46,991 | 6,571 | 13.98% |
| 令和4年度 | 47,850 | 5,802 | 12.13% |
| 令和3年度 | 47,870 | 5,353 | 11.18% |
| 令和2年度 | 41,681 | 4,470 | 10.72% |
| 令和元年度 | 39,821 | 4,571 | 11.48% |
| 平均 | 45,333 | 5,489 | 12.1% |
資格試験の概要
受験資格
年齢、学歴、職歴、国籍などに関係なく、誰でも受験できます。
「受験資格がない=完全にオープンな試験」なので、挑戦しやすい資格です。
試験内容
試験は、マークシート方式(択一式・多肢選択式)と記述式で実施されます。
行政書士試験は、法令等科目と一般知識科目の2つの科目から出題されます。
| 出題形式 | ・マークシート(択一式):40問(法令等科目)+14問(一般知識科目) ・マークシート(多肢選択式):3問(法令等科目) ・記述式:3問(法令等科目) |
| 総問題数 | 60問 |
| 配点 | 300点満点 ・法令等科目:244点(択一40問×4点、多肢選択3問×8点、記述3問×20点) ・一般知識科目:56点(択一14問×4点) |
| 法令等科目(46問/配点244点) | 一般知識科目(14問/配点56点) |
|---|---|
| 法律に関する専門知識が問われます。 | 社会人としての常識や、 ビジネスに必要な幅広い知識が問われます。 |
| ・基礎法学:法律の基本的なルールや考え方 ・憲法・行政法:国の基本的なルールや、行政の仕組み、手続き ・民法:人々の権利や義務に関するルール ・商法:会社の設立・運営など、ビジネスに関するルール ・行政書士法:行政書士の仕事に関する法律 | ・政治・経済・社会 ・個人情報保護 ・文章理解 |
合格基準
行政書士試験の合格基準は、以下のように定められています。
- 試験全体の合計得点:300点満点中180点以上(60%以上)
- 法令等科目:244点満点中122点以上(50%以上)
- 一般知識科目:56点満点中24点以上(約43%以上)
「全体で6割取る」だけではなく、法令等科目・一般知識科目の両方で最低点をクリアする必要があります。
科目免除等について
行政書士試験には「科目免除制度」はありません。
ただし、以下の方は試験自体を受けなくても行政書士として登録できます。
- 弁護士、弁理士、公認会計士、税理士の資格を持つ方
- 最終学歴が「高校卒業」以上の公務員で、17年以上の行政事務経験のある方
(最終学歴が「中学卒業」の場合は、行政事務経験は「20年以上」必要になります)
願書申込み受付期間・試験日時・合格発表日
| 願書申込み 受付期間 | 7月下旬〜8月下旬。 インターネット申し込みと郵送申し込みがあり、それぞれ締め切り日が異なるので注意が必要です。 |
| 試験日時 | 11月の第2日曜日。 例年、13時から16時までの3時間。 |
| 合格発表日 | 翌年の1月下旬。 |
受験地・受験料・運営団体
| 受験地 | 受験会場は「全国47都道府県」すべてに設置されています。 |
| 受験料 | 10,400円 |
| 資格の運営団体 | 一般財団法人行政書士試験研究センター |
行政書士の業務内容は?
行政書士の主な業務は大きく分けると以下の3つです。
これらは行政書士法で定められた、行政書士が専門的に行うことのできる業務です。
| 官公署に提出する 書類の作成・提出代理 | 会社の設立、建設業の許可、飲食店の営業許可、外国人の在留資格申請など、役所に提出する書類は専門的で複雑なものが多いです。 行政書士は、これらの書類を正しく作成し、代理で提出することができます。 |
| 権利義務に関する 書類の作成 | 契約書、遺言書、内容証明郵便など、法律的に大切な意味を持つ書類を作成します。 たとえば、相続でトラブルにならないように遺言書を作ったり、取引先との契約をきちんと残したりする際に力を発揮します。 |
| 事実証明に関する 書類の作成 | 土地の利用状況や会計帳簿、各種図面など、事実を証明するための書類も行政書士の仕事です。 これにより、客観的な証明を行い、トラブルを未然に防ぐ役割を担っています。 |
このほか、企業のコンプライアンス(法令遵守)支援や、外国人労働者の雇用サポートなど、現代のニーズに合わせた新しい業務にも活躍の場が広がっています。
行政書士の就職・転職メリット
行政書士の資格を取得すると、法律知識を持っていることの証明になり、就職や転職の際に大きな強みとなります。
「書類作成のプロ」として幅広い分野で評価される資格です。
行政書士資格を活かした独立開業
行政書士は「独立開業」に直結しやすい資格の一つです。
「いつか自分の力で仕事をしたい」と考えている人にとって、行政書士は将来の選択肢を大きく広げてくれる資格です。
独立すれば、仕事内容や働く時間を自分で自由に決められるため、ワークライフバランスを重視した働き方も可能です。



