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この記事の内容は「売上原価・在庫とは」「決算整理で売上原価と在庫を仕訳する」となります。
初心者・独学の方でも分かりやすいように、資産・負債・純資産・収益・費用を色分けしています。
- 資産は青色
- 負債は赤色
- 純資産はオレンジ色
- 収益は緑色
- 費用は黄色
売上原価は在庫と仕入で計算する
売上原価とは
販売した商品の仕入れにかかった金額を「売上原価(うりあげげんか)」といいます。
例えば、100円で仕入れた商品を、150円で販売した場合、売上原価は100円になります。
また、販売することで得た利益は50円になります。
売上の金額、売上原価の金額が分かることで、利益となる金額も分かります。

在庫とは
在庫とは、商品を仕入れたけど、まだ販売していない、手元にある商品のことです。
在庫について、具体例で確認してみます。
×5年4月1日の期首時点で、前期から保有していた商品100円の在庫が2個ありました。
×5年7月10日に、100円の商品15個を現金で仕入れました。
×5年12月6日に、商品16個を150円で販売し、代金は現金で受け取りました。
×6年3月31日の期末時点の在庫は、100円の商品が1個でした。
| 期首在庫(×5.4/1) | 2個(200円) |
| 当期仕入(×5.7/10) | 15個(1,500円) |
| 販売(売上原価)(×5.12/6) | 16個(1,600円) |
| 期末在庫(×6.3/31) | 1個(100円) |
具体例での商品の流れを図にすると、下のようになります。

在庫について、前期から余っていた商品の在庫(2個:200円)に
当期に仕入れた商品(15個:1,500円)をプラスして、
売上原価(16個:1,600円)をマイナスすると、
期末に残っていて翌期に繰り越す在庫(1個:100円)が分かります。
(期首在庫200+当期仕入1,500-売上原価1,600=期末在庫100)

また、期末の在庫(1個:100円)が分かれば、当期の売上原価も分かります。
前期から余っていた在庫(2個:200円)に、
当期に仕入れた商品(15個:1,500円)をプラスして、
期末に残っていて翌期に繰り越す在庫(1個:100円)をマイナスすると、
売上原価(16個:1,600円)が分かります。
(期首在庫200+当期仕入1,500-期末在庫100=売上原価1,600)

前期から繰り越されて、当期の最初(期首)からある在庫のことを「期首商品棚卸高(きしゅしょうひんたなおろしだか)」、
当期に仕入れた商品のことを「当期商品仕入高(とうきしょうひんしいれだか)」、
当期の最終日(期末)にあり、翌期に繰り越される在庫のことを「期末商品棚卸高(きまつしょうひんたなおろしだか)」といいます。

店舗や倉庫などの棚にある商品を一度おろして、
現在の在庫がどのくらいあるのか確認することを
「棚卸(たなおろし)」といいます。
決算整理で売上原価と在庫を仕訳する
簿記では、会計期間の最終日(期末)である決算日に、
「会計期間(1年間)で販売した商品の売上原価」と「決算日に手元にある在庫」を確認します。
この2つを確認するために、決算整理仕訳を行います。
売上原価と在庫を確認する決算整理仕訳を、先ほどの具体例で確認してみます。
×5年4月1日の期首時点で、前期から保有していた商品100円の在庫が2個ありました。
×5年7月10日に、100円の商品15個を現金で仕入れました。
×5年12月6日に、商品16個を150円で販売し、代金は現金で受け取りました。
×6年3月31日の期末時点の在庫は、100円の商品が1個でした。
| 期首在庫(×5.4/1) | 2個(200円) |
| 当期仕入(×5.7/10) | 15個(1,500円) |
| 販売(×5.12/6) | 16個(1,600円) |
| 期末在庫(×6.3/31) | 1個(100円) |

×5年7月10日に、100円の商品15個を現金で仕入れています。
仕訳は、借方「仕入1,500」、貸方「現金1,500」となります。
| 借方 | 貸方 |
|---|---|
| 仕入 1,500 | 現金 1,500 |
この仕訳を仕入の総勘定元帳に転記すると、下の画像のとおりになります。

×5年12月6日に、商品16個を150円で販売し、代金は現金で受け取っています。
仕訳は、借方「現金2,400」、貸方「売上2,400」となります。(16個×150円=2,400円)
| 借方 | 貸方 |
|---|---|
| 現金 2,400 | 売上 2,400 |
このままの仕訳内容で、利益を計算しようとすると、
売上2,400円-仕入費用1,500=利益900円となります。
×5年12月6日に販売した商品16個の売上原価は1,600円なので、
本当の利益は、売上2,400円-売上原価(仕入費用)1,600=利益800円です。
このような計算間違いをしないように、2つの決算整理仕訳を行います。
×5年4月1日の期首時点、前期から保有していた商品100円の在庫が2個あります。
商品在庫を仕訳で表現するときは、資産として「繰越商品」の勘定科目を使います。
期首時点(×5年4月1日)の繰越商品の総勘定元帳は、下記のようになっています。
(前期×4年度から繰り越されてきた商品在庫200だけ「前期繰越」として書かれています)

この繰越商品2個を当期(×5年度)に販売したと考えると、
繰越商品2個(200円)は、費用として処理する必要があります。
商品を費用として処理するのは、「仕入」勘定です。
繰越商品200円が費用となるため、借方に「仕入200」が入ります。
| 借方 | 貸方 |
|---|---|
| 仕入 200 |
また、繰越商品200円を費用として処理するため、繰越商品を減らします。
資産が減るため、貸方に「繰越商品200」が入ります。
| 借方 | 貸方 |
|---|---|
| 仕入 200 | 繰越商品 200 |
期首商品棚卸高を当期の費用にする決算整理仕訳は、
借方「仕入200」、貸方「繰越商品200」となります。
この決算整理仕訳を仕入の総勘定元帳と、繰越商品の総勘定元帳に転記すると、下の画像のとおりになります。

決算日(×6年3月31日)に手元にある在庫は、翌期以降に販売する商品になります。
在庫は、当期(×5年度)から翌期(×6年度)に繰り越す商品です。
仕訳では、資産として「繰越商品」の勘定科目を使います。
×6年3月31日の期末時点の在庫は、100円の商品が1個です。
繰越商品1個分(100円)を翌期に繰り越すため、資産が増えるので、借方に「繰越商品100」が入ります。
| 借方 | 貸方 |
|---|---|
| 繰越商品 100 |
また、繰越商品1個分(100円)の費用が減るため、貸方に「仕入100」が入ります。
| 借方 | 貸方 |
|---|---|
| 繰越商品 100 | 仕入 100 |
期末商品棚卸高を翌期に繰り越すための決算整理仕訳は、借方「繰越商品100」、貸方「仕入100」となります。
この決算整理仕訳を仕入の総勘定元帳と、繰越商品の総勘定元帳に転記すると、下の画像のとおりになります。

仕入の総勘定元帳で、売上原価を確認してみます。
費用は借方の勘定科目なので、費用である仕入勘定は、借方の金額が残高になります。

借方1,700、マイナス、貸方100、イコール1,600(1,700-100=1,600)により、
×5年度にかかった仕入の費用(売上原価)は1,600円だった、ということが分かります。
繰越商品の総勘定元帳で、翌期に繰り越す商品在庫(期末商品棚卸高)を確認してみます。
資産は借方の勘定科目なので、資産である繰越商品勘定は、借方の金額が残高になります。

借方300、マイナス、貸方200、イコール100(300-200=100)により、
翌期に繰り越す商品在庫(期末商品棚卸高)は100円ということが分かります。

翌期に繰り越す商品在庫(期末商品棚卸高)は
基本的に問題文に書かれています。
今回は、繰越商品の総勘定元帳の流れを確認するために見てみました。
前期からの在庫が200円、当期から翌期に繰り越す商品在庫が100円の場合、
決算日に行う「売上原価と在庫を確認する決算整理仕訳」は、
借方「仕入200」、貸方「繰越商品200」
借方「繰越商品100」、貸方「仕入100」
になります。
| 借方 | 貸方 |
|---|---|
| 仕入 200 | 繰越商品 200 |
| 繰越商品 100 | 仕入 100 |

売上原価と在庫を確認する決算整理仕訳は、
①前期からの繰越商品を費用として、仕入で処理する仕訳
②当期から来期に繰り越す在庫を資産と処理する仕訳
の順番で書きます。
売上原価は、「前期からの繰越商品+当期の仕入-当期の決算日時点の在庫」です。
決算整理仕訳によって、
仕入の総勘定元帳を見ると「売上原価」が分かり、
繰越商品の総勘定元帳を見ると「翌期に繰り越す商品在庫」が分かることを確認しました。

売上原価、在庫を確認するための決算整理仕訳は、
| 借方 | 貸方 |
|---|---|
| 仕入(しいれ) | 繰越商品(くりこししょうひん) |
| 繰越商品(くりこししょうひん) | 仕入(しいれ) |
なので、
「しーくり、くりしー」で覚えます。

「しーくり」は期首商品棚卸高の金額を書いて、
「くりしー」は期末商品棚卸高の金額を書く!
と覚えておけば簡単です。
次の記事「当座借越とは」「当座預金勘定がマイナスになる場合の仕訳方法」はこちら!
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練習問題
決算日となり、仕入勘定で売上原価を計算する。
期首商品棚卸高は50円、期末商品棚卸高は80円だった。
この決算整理仕訳を考えてみましょう。
| 借方 | 貸方 |
|---|---|
| ( ) | ( ) |
| ( ) | ( ) |
売上原価を確認する決算整理仕訳は、「しーくり、くりしー」で処理します。
| 借方 | 貸方 |
|---|---|
| 仕入(しいれ) | 繰越商品(くりこししょうひん) |
| 繰越商品(くりこししょうひん) | 仕入(しいれ) |
仕訳1行目の「しーくり」には、期首商品棚卸高の金額(50)を記入します。
| 借方 | 貸方 |
|---|---|
| 仕入 50 | 繰越商品 50 |
| 繰越商品 | 仕入 |
仕訳2行目の「くりしー」には、期末商品棚卸高の金額(80)を記入します。
| 借方 | 貸方 |
|---|---|
| 仕入 50 | 繰越商品 50 |
| 繰越商品 80 | 仕入 80 |
今回の決算整理仕訳は、借方「仕入50」「繰越商品80」、貸方「繰越商品50」「仕入80」になります。
商品売買についての仕訳問題集の記事はこちら!





