この記事では、
と考えている方に向けて、事業計画書の作り方を分かりやすくご紹介します。
事業計画書を作る目的
事業計画書は、「社外向け」に作る場合と、「社内向け」に作る場合の2パターンの作るケースがあります。
「社外向け」の事業計画書は、国や公的機関の支援を受ける時、銀行に融資依頼をする時に必要になったりします。
「社内向け」の事業計画書は、作成することで、経営者や企画担当者の頭の整理、情報の整理として役立ち、事業の方向性を明確にすることができます。
また、事業計画書は、従業員への事業説明や方向性を示すのにも効果的です。

事業計画書作成で一番重要なのは、経営者や担当者の思いや覚悟、本気度になります。
本気度を伝えるためにも、しっかりとした事業計画書を作りましょう!
事業計画書を作るメリット
◆これからどういうことをやっていくかを言語化・文章化することで、客観的に企業の状況を整理できます。
◆頭で考えているだけだと必要なことの抜け漏れが発生したり、思い込みが優先されることがあります。計画を作ることで、体系的・網羅的に必要なことを書き出すことができます。
◆計画を作っている最中に、派生する新しいことに気が付いたり、別の方向性をひらめくこともあります。
◆従業員への情報共有・説明することで、会社・組織としては同じ方向・目的に向かっていくことができ、企業成長が促進されます。
◆従業員としては、言われたことだけをやるだけだとモチベーションが下がることも多々あり、なぜ新しく仕事が増えたのかを理解できないとストレスを感じます。
事業計画書により、事前に情報共有することで、方向性は理解できて、ストレスも感じにくく、従業員それぞれで創意工夫も生まれます。
◆なぜこの事業に取り組むのか、事業活動によって自社がどういう方向に向かっているのか、そのために従業員それぞれにどのような役割があるのか、といったことを共有することで、仕事への動機付けにもなります。
◆社外に対しては、融資や補助金などの資金調達目的として、事業計画書を作成することがあります。提出先は、銀行などの金融機関や公的機関です。
◆金融機関からすると、融資したお金がちゃんと返ってくるかが重要となるので、事業計画書を見ることで、お金が返ってくる見込みがあるか、信用できる事業かどうかを判断する材料となります。
◆公的機関からすると、事業計画書を見ることで、国や自治体の財源をしっかりとした事業に活用してくれるのか、地域に良い影響を与える事業かどうかを判断する材料となります。
◆事業計画書の内容としては、
こういう事業を行いたいです⇒
そのために、これに使うお金が必要なんです⇒
この事業によって、これくらい儲かります。だから、お金を貸してください、出資してください、補助金をください。
という流れの読み物としての計画書を作ります。
事業計画書作成のポイント4点
ポイント①
事業計画書は、まず大枠から書いていきます。
大枠は、
- いつ
- どこで
- 誰に
- 何を
- どのように提供するのか
- なぜ事業を行うのか
- 担当者は誰なのか
- 事業のために何にいくらの投資をするのか
といったことです。
ざっくりで良いので大枠で押さえていくことで、事業計画書を作るハードルも下がり、計画のズレも発生しづらく、修正もしやすくなります。
ポイント②
事業計画書は、文字だけでなく、図や表、写真などを入れて、読む側が視覚的に読みやすい、理解しやすいものにすることもポイントです。
計画作りをある程度勧めたら、「ここにグラフを入れると分かりやすいかも」などを考えるタイミングを作ってみてください。
ポイント③
売上○%上がる見込み、利益○円想定など、できるだけ数字を取り入れて書くと、説得力の高い事業計画書になります。
業界動向や消費者意識など、計画に記載する内容の根拠となる資料も合わせて追加できると良いです。
ポイント④
社外の方に読んでもらうための事業計画書の場合は、専門用語をできる限り使用しないことも大切です。
同じ業界でも、同じ用語で捉えている意味が違うこともあるので、専門用語の使用は極力控えめにしておくと良いです。
例えば、就職活動をしている学生にも分かるレベルで書いておくと、採用活動でも事業計画書の内容がそのまま使えることがあります。
事業計画書の内容
企業概要
会社の自己紹介部分です。社内用の計画書の場合は簡単な内容でOKです。
「事業内容」「実績状況」「代表者の略歴」を記載します。
ミッション・ビジョン・バリュー(MVV)
ミッション(Mission)、ビジョン(Vision)、バリュー(Value)を記載します。
この3つ(MVV)は、事業計画書に必須ではありませんが、書いておくことで会社の思い、理想に立ち戻り、計画の見直しや方向転換を行いやすくなります。

企業概要は「現状(過去から現在)」、
MVVは「目的・目標(未来)」を書くイメージです。
経営環境
自社を取り巻く市場環境、業界のトレンドを記載します。
客観的なデータや具体的数字を含めることで説得力が増します。
SWOT分析
自社の状況を「強み」「弱み」「機会」「脅威」の4視点で捉える方法「SWOT分析」を記載します。
新たな取り組み・事業を実施する理由
新しい事業を実施する理由を、SWOT分析で記載した「機会」と「強み」をベースに記載します。
このような機会(ビジネスチャンス)が市場にあり、自社にこのような強みがあるため、今回の事業を実施します、といったストーリーで書くことになります。
ビジネスチャンスの発生ではなく、既存事業のスクラップ・アンド・ビルドによる事業計画の場合は、事業の選択と集中として、自社の「弱み」となっている事業、外部要因の「脅威」により縮小傾向にある事業、人材不足の事業などの方向転換に関することを記載します。
新たな取り組み・事業の概要
実施する新たな取り組みや事業について、
- どこで
- 誰に
- 何を
- いくらで
- どうやって販売するのか
といったことを具体的に記載します。
新たな取り組み・事業における市場分析
新たな取り組み・事業における市場規模やトレンドを記載します。
新たな取り組みではない事業計画の場合は、すでに記載しているため、ここは不要となります。
競合分析
自社事業の競合他社を2~3社くらい挙げて、どのような商品を扱っているのか、どのように販売しているのか、などの他社の特徴を記載します。
新たな取り組みではない事業計画の場合は、すでに記載しているため、ここは不要となります。
差別化と競争優位性
下記のような、自社が競合他社と比べて優れている点、差別化できている点、付加価値を生み出せている点を記載します。
- 高い品質
- 高い機能性
- 強い耐久性
- 納期の早さ
- 低コストでの生産や提供の実現
- 希少性のある技術やノウハウ
販売戦略
商品やサービスを販売する方法、戦略について記載します。
- 既存顧客だけでなく、新規顧客の開拓方法
- リアル店舗でのオフラインで販売するのか、ECサイト等を活用したオンラインでの販売戦略にするのか
- 広告宣伝や営業はどのようにするのか
組織体制
事業でやるべきこと、作業内容を細分化して、どの担当者が、どの業務をするのか、役割分担を記載します。
社内だけでなく、社外に業務をアウトソーシングする部分も記載します。
スケジュール
具体的に、いつ、何を行うのか、実現可能性のあるスケジュールを記載します。
- 商品開発時期
- 設備の導入時期
- テストマーケティング
- 広告宣伝のタイミング
- 従業員の教育・育成
収支計画
事業を実施した結果として、どのくらいの売上や利益が獲得できそうか、どのくらいの費用がかかりそうか、予測を記載します。
自社の過去の実績や他社の事例、市場調査の結果など、根拠となる情報も記載します。
収支計画については、リスク管理のため、「上手くいったケース」「標準のケース」「思ったより売れなかったケース」の3ケースを書いておくと、実際の事業実施時に状況に合わせた計画の見直しなどを行いやすいです。
財務計画
今回の事業を行うにあたっての必要な資金、事業活動で生み出される資金について記載します。
製品の製造前に機械や倉庫が必要だったりするように、事業活動を前提に必要となるものに対して、どのくらいの資金が必要かを明記します。
また、事業活動で生み出された資金から借入の返済や事業投資に回す計画を記載します。
「収支計画」は事業による売上や費用などの収支について記載しますが、「財務計画」では事業を実施・運用するために必要な金額を書きます。
事業計画書を金融機関に出すのであれば、融資する側としては、何を購入するためにお金が必要なのか知りたいわけなので、この財務計画部分で「機械が必要だから融資してください」といった理由を書きます。合わせて、事業を開始した後の資金繰りについても記載します。
特に、収支計画では表れない「減価償却費」や「借入の返済」などを把握するためにも、財務計画は必要です。
その他
今回の事業を実施することで、地域経済の活性化や、雇用の創出、環境への影響など、事業から派生的に影響がありそうなことを記載します。
まとめ
この記事では、事業計画書の作り方について、ご紹介しました。
事業計画書を作り始めると、書けなかったり、文章作りに疲れることがあると思います。
まずは大枠だけ書いておいて、細かい部分については、書きやすいところから書いていくことをお勧めします。
また、事業計画書を基に事業が進み始めたら、途中のタイミングで、事業計画書に書いた予想と、実際に活動した事業実績を比較する作業も行ってみてください。


